「ピアノを始めるならバイエル」
と言われるほど有名なピアノ教材ですが、実際に4歳の子どもが取り組めるのか気になりますよね。
我が家では、娘が4歳(年少)のときに 「こどものバイエル 上巻」をスタートして約4ヶ月でクリアしました!
とはいえ最初からスムーズに進んだわけではなく、途中でつまずいたポイントや工夫した練習法もありました。
本記事では、こどものバイエル上巻を4歳で始めた娘の体験談をもとに、かかった期間や難しかったポイントを詳しくレビューしていきます!
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目次
こどものバイエル上巻の内容と特徴
まずは、「こどものバイエル上巻」がどんな教材なのか簡単に紹介します。
色々な出版社から出版されていますが、我が家の娘が4歳年少で使用したものはこちらです▼
「こどものバイエル新版上巻(音楽之友社)」の特徴
- 音符が大きく、視認しやすい
- 最初は片手から始まり、徐々に両手に移行
- ゆっくり進められるため、初心者でも取り組みやすい
- 未就学児~小学校低学年対象
この教材は導入部分がシンプルで分かりやすく、4歳児でも始めやすいのが特徴です。
「バイエル」と「こどものバイエル」の違いは何?
バイエルとは、ドイツの作曲家フェルディナンド・バイエルが作ったピアノ初心者向けの教材です。
一般的な「バイエル教則本」は大人の初心者向けに作られており、指の動きや音階の基礎を学ぶ内容になっています。
一方「こどものバイエル」は子どもが楽しく学べるように編曲されており、簡単なリズムやかわいい挿絵が特徴です。
またこどものバイエルでは、無理なく弾けるように音域が調整され、易しい曲が多く含まれています。
どちらもピアノの基礎を学ぶための教材ですが、子ども向けはより親しみやすく工夫されています。
バイエルはピアノ初心者の導入教材!4歳でも弾ける?
ちなみに私自身は小学2年生の時にピアノを習い始めたのですが、その際に最初に使用していた教材もバイエルでした。
娘が先生からバイエルを渡された際、
「え?4歳でバイエル弾けるの?(私は小学生で弾いたのに?)」
と心配になりましたが、結論から言うと問題なく弾けました。
別に私の娘が特別ピアノが上手なわけでも、熱心に練習に取り組んだわけでもありません。
詳しくは次の項目で解説しますね♪
4歳の娘が実際にこどものバイエル上巻に取り組んだ感想

こどものバイエル上巻の内容
こどものバイエル上巻はピアノを習い始めて最初に勉強する導入本としても使えるため、
- 右手だけで弾ける曲
- 左手だけで弾ける曲
- 両手のユニゾン(左右同じメロディー)で弾く曲
- 両手で異なるメロディーを弾く曲
と順番にゆっくり練習できる構成です。
最初の曲は2小節しか無いなど、初心者の子どもでも無理なく練習できる難易度になっています。
曲がシンプルすぎて練習がつまらないと感じないように先生パートが用意されており、先生と一緒に連弾することでシンプルな曲でも厚みのあるしっかりとした曲に変身します。
バイエルで両手で異なるメロディーが登場するのは7番から。
バイエル8番からは見開きの半分が1曲で埋まるようになり、ピアノ練習が本格的になってきます。
4歳娘がクリアするまでにかかった期間
うちの4歳娘の場合、約4ヶ月でこどものバイエル上巻をクリアしました。
進め方はこんな感じです。
- 1日5~10分の練習(気分が乗らない日はお休み)
- 1週間で1曲クリアを目指す
- 難しい曲は片手ずつ練習しながら
- ピアノ教室の先生判断で弾かない曲目もあり
半分も弾いていないけどクリアで良いの?
バイエル上巻は43番まであるのですが、ピアノ教室で習い始めて半年後のバイエルスタートだったせいか、
- 11番(77ページ)からスタート
- 12,13,17,22,23,24,25,26,27,28,31,33,37,40,41,をスキップ(弾いた曲の合計は18曲)
と、今振り返ってみると43曲のうち半分も弾いていない状態でクリアしています。
他のピアノ教本と合計3冊を並行で進めていたこともあり、スキップする曲が多かったので4か月という短期間で終わったのだと思います。
こどものバイエル上巻をクリア後に下巻に突入してからも、レッスンは順調に進んでいるのでバイエル上巻クリアの実力は付いていると判断できます。
こどものバイエル上巻の平均クリアペースは11か月
通常1週間に1曲(1か月で4曲)ペースで合格していけば、こどものバイエル上巻は約11か月で終わる内容です。
実際は祝日などでレッスンが月4回無かったり、体調不良などで休むこともあるので約1年でしょうか。
娘も4か月クリアとは言え、3歳からピアノを習い始めて最初の半年でほかの教材で基礎力を付けていた期間を考えると合計10か月かかっています。
平均と比べても、決して早くもない期間です。
4歳の子どもにとって難しかった曲目と乗り越え方

▲楽しく練習するために1回弾くごとにシールを1枚貼っていました。(シール10枚なので1週間で10回弾いていますね♪)
我が家の娘にとってバイエル上巻がスムーズに進んだのは、バイエルを始める前に半年間別の教材を使用していたことが大きかったと思います。
- ぴあのぴあの①
- ぴあのぴあの②
- ぴあのくらぶ①
- ぴあのくらぶ②
- ドレミランド幼児版ONE(ワン)
上記合計5冊をクリアした状態でバイエルに入ったので、指番号の理解や右手のみ・左手のみの片手演奏が出来ている状態でした。
こどものバイエル上巻で難しかった曲目
そんな娘ですが、こどものバイエルで苦戦した曲目がいくつかありました。
こどものバイエル16番

▲子どものバイエル16番の一部です。
それまでのバイエルと違って、16番は右手と左手のメロディを弾くときに指を動かす方向が異なります。
右手で「ドミ」と弾くと同時に左手で「ミド」と弾く箇所が登場するなど、両手奏の関門だと感じました。
こどものバイエル16番の乗り越え方
この16番は1週間の練習でクリアすることはできませんでした。
いきなり両手で弾いた時に全然弾けなかったので片手ずつゆっくり練習し、2週間かけてクリア。
ゆっくりゆっくり練習を進めることを心がけました。
こどものバイエル19番

▲こどものバイエル19番の一部です。
バイエル19番の特徴としては、初めてスタッカートが登場する曲目です。
- スラー(音が切れないようなめらかに弾く)
- スタッカート(音を切るように弾く)
この弾き方の違いを意識しないとクリアできず。
幼児さんあるあるかもしれませんが、娘は指の力が弱くてそれまでの全ての音をスタッカートで演奏していたので、スラーを意識するのがなかなか難しいようでした。
次の音を弾く前に指が鍵盤から離れてしまっているんですね。
手指や手首に余分な力を抜いて弾くとなめらかに弾けるのですが、なんせ指の力が無いためすべての音に全力投球。
結果スタッカートになってしまいます。
こどものバイエル19番の乗り越え方
家で練習を見た限りあまり弾けていませんでしたが、ピアノ教室でもらった結果は〇。
正直なところ、4歳ということもあり先生におまけしてもらったようです(笑)
練習を続けていくうちに指の力がしっかり付いてきて弾けるようになるので、とりあえずの〇。
今後の曲目でもスラーをしっかり意識して練習を見てもらうことになりました。
こどものバイエル29番

▲こどものバイエル29番の一部です。
バイエル29番はタイが登場する曲目です。
タイとうのは「2つの同じ高さの音を繋げて弾く」という記号で、バイエル29番だと全音符と四分音符がタイで結ばれているので5拍延ばすことになります。
今まで2拍や4拍延ばすことはあっても5拍は登場してこなかったので、娘も混乱していました。
左手にもタイが登場しているため、いつどの音を弾いて良いのか分からない状態です。
こどものバイエル29番の乗り越え方
バイエルにも最初から謎のお花のマークが付いており、「音をここまで伸ばす」ということが分かりやすくなっていました。
ピアノの先生が追加でタイを赤い線で辿ってくれて、スラーとの違いを分かりやすくしてくれました。
自宅では娘が右手、私が左手を弾いて練習し、この曲も2週間かけてゆっくりクリアしました。
こどものバイエル35番

▲こどものバイエル35番の一部です。
バイエル35番は本当に苦戦しました。
というのも、バイエルは35番から初めてヘ音記号が登場し、ようやくト音記号の音符が読めるようになった娘の頭は混乱。
一度難しいと感じてしまうとなかなか覚えられないようで、娘にピアノ練習を拒否されてしまいました。
こどものバイエル35番の乗り越え方
練習方法としては、まずヘ音記号の音を読めるようになること。
ピアノは使いませんでした。
とりあえず見た目でわかりやすい「ド」の位置をしっかり覚えてもらって、1つ下がると「シ」、もう一つ下がると「ラ」…のようにゆっくりと譜読みを進めました。
なお、ヘ音記号が苦手な子供向けにバイエルではト音記号バージョンの楽譜も両方掲載されています。
見開きの左がト音記号バージョン、右がヘ音記号バージョンなので、ピアノ教室によっては左を使う場合もあるかもしれません。
娘は頑張ってヘ音記号にチャレンジし、少しずつ理解を深めました。
こどものバイエル38番・39番

▲こどものバイエル38番の一部です。
ピアノの習い事をバイエル上巻の途中で辞めてしまった子どもは、おそらくバイエル38番・39番で辞めてしまったのではないでしょうか?
(我が家の息子は5歳でピアノ習い始めとともにこどものバイエルを弾き始めましたが、約半年通ってここ38・39番で挫折しました。)
右手が「ソラシドレ」という弾きなれない・読みなれない音域、左手がヘ音記号という組み合わせで一気に難易度があがる曲なんですよね。
これまでのバイエルでは右手が「ドレミファソ」だったので、分かりやすかったのに。
ちなみにバイエル37番の音域も「ソラシドレ」ですが、37番は左手がト音記号なのでまだわかりやすいです。
こどものバイエル38番・39番の乗り越え方
とにかくゆっくりのペースで練習すること!
これにつきます。
- 右手のメロディを音読
- 左手のメロディを音読
- 右手のみ演奏
- 左手のみ演奏
- 両手でゆっくり演奏
という順番で進め、2週間かけてクリア。
38番をゆっくり練習したことで、同じ特徴の39番はスムーズに弾けるようになりました♪
先に5歳息子が38番で挫折してからの4歳娘の挑戦だったので、かなり慎重に練習を進めました。
「これ弾けるようになったらお兄ちゃんより上手だよ!」
と、娘を励ましながら(笑)
こどものバイエル42・43番

▲こどものバイエル42番の一部です。
こどものバイエル上巻はハ長調しかでてこないので暗い曲になりにくいはずなのですが、この42・43番は怖い雰囲気の曲でした。
加線(五線譜の五本の線の範囲を超えた高い音や低い音を記譜するために、補助的に加えられる短い線のこと)を勉強するための曲なのですが、
- 音が高い
- メロディ範囲が高域のラ~ミ
ということもあり、娘が怖がってしまいました。
せめて「ドレミファソ」だったらよかったのですが、音域は「ラシドレミ」。
この曲には先生パートでの連弾が用意されており、私が先生パートを弾いて一緒に練習しようとしたのですが、先生パートの雰囲気も暗め。
「怖いから練習したくない」
という娘に無理はさせられず、苦戦しました。
こどものバイエル42・43番の乗り越え方
ありがたいことに42番・43番の難易度自体は高くなく、左手は右手と全く同じメロディです。
加線の譜読みさえしっかりできればそれまでのレッスン内容で十分弾ける曲でした。
自宅での練習は、楽譜の音を声に出して音読することで対応。
自宅練習としてピアノはほぼ使っていませんが、譜読みを完璧にしたおかげで1週間で〇をもらうことが出来ました。
こどものバイエル上巻を4歳で取り組むメリット・デメリット

実際に娘と取り組んでみて、4歳でもバイエルを始められるけど、ゆっくり無理なく進めるのが大事だと感じました。
バイエルを4歳で取り組むメリット
- 指の使い方が早くから身につく
- 音符に慣れることができる
- ピアノの基礎力を楽しく学べる
バイエルは「THE・ピアノ教本」という内容です。
1曲ごとの長さも8番以降ではしっかりした長さがあり、小さいうちからバイエルの楽譜に馴染んでいくことで、楽譜に親しむことができます。
バイエルを4歳で取り組むデメリット
- 両手の動きに慣れるまで時間がかかる
- 長時間の集中は難しい
- 漢字にフリガナが無い
- 挿絵がほぼ無い
通常バイエルと異なりこどものバイエルは、「子どもでも親しみやすい内容」と謳っているにも関わらず、他のピアノ教本と比べて挿絵が圧倒的に少なくほぼモノクロです。
また、新しいレッスン項目が登場する際に解説ページがしっかりついているのですが、まさかの漢字にフリガナがありません(笑)
親やピアノの先生が横についてサポートすることが必須だと感じました!
関連記事はこちら▶子どものピアノ練習が大変!親ができるサポート方法とは?
まとめ

「こどものバイエル上巻」 は4歳でも無理なく取り組めるピアノ教材でした!
4歳で始める場合のポイントは、
- 1日5~10分の短時間練習でOK
- 無理せず子どものペースでゆっくり進める
です♪
関連記事はこちら▶ピアノ練習中の親子バトルを防ぐ方法!楽しく続けるためのコツとは?
ピアノを楽しく続けるために、焦らずマイペースに進めることが何より大切だと感じました。
これからバイエルを始める方の参考になれば嬉しいです♪
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