ピアノを続けていくと、必ず出てくるのが「オクターブ」。
大人の手には馴染みのあるテクニックかもしれませんが、子どもにとっては
「指が届かない!」
「手が痛い!」
と、ちょっぴりハードルの高い存在です。
この記事では、そんなオクターブについて、
「子どもにとって早すぎるの?」
「いつから始めればいい?」
「手が小さいうちはどうしたらいい?」
といった疑問にお答えしつつ、小さな手でも無理なくピアノを楽しめる演奏の工夫をご紹介します。
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目次
そもそもピアノにおけるオクターブってなに?

「オクターブ」とは、同じ音名で高さが1つ違う2つの音を同時に鳴らすこと。
たとえば「ド」と「高いド」、「ラ」と「高いラ」など、8音分離れた音のペアです。
ピアノの楽譜ではよく、音符が上下に広がった形で記されています。
音に厚みや華やかさを加えるために、クラシックからポップスまで幅広いジャンルで使われています。
関連記事はこちら▶ピアノのオクターブとは?意味・弾き方・子どもでも弾けるコツと演奏アレンジを解説
子どもの手にオクターブは届くの?

オクターブが届く平均的な年齢と手の大きさ
一般的に、小学校高学年(10〜12歳)になると、手の大きさによってはオクターブに届くようになります。
ただし個人差が大きく、小学2〜3年生で届く子もいれば、中学生になっても難しいと感じる子もいます。
オクターブに届くかどうかの一つの目安は、「ド」と「高いド」を親指と小指で同時に押さえられるかどうか。
無理に広げると手に負担がかかるため、「届かない=弾けない」ではなく、「まだ今は別の方法で対応する」ことがとても大切です。
オクターブはまだ早い?無理しないことが大前提
「この曲、オクターブが出てくるから弾けない…」
「発表会でこの曲を選びたいけど、オクターブがあるから無理かな?」
そんな風に悩むこともあるかもしれません。
でも、「オクターブが弾けない」=「レベルが低い」なんてことはありません。
特に子どもの場合、身体の成長に合わせて取り組めばOK。
焦る必要はまったくありません。
指導者によっては、あえてオクターブを含む曲を与えず、十分に手が育つまで別のレパートリーで経験を積ませる場合もあります。
大事なのは「無理せず、音楽の楽しさを失わないこと」です。
小さい手でも弾ける!演奏の工夫とアレンジ

音を分けて弾く(分散和音)
オクターブの2つの音を同時に押さえる代わりに、1音ずつ素早く弾く方法です。
たとえば「ド→高いド」と続けて弾くことで、同じような響きを出すことができます。
見た目や音の厚みは少し変わりますが、表現としては十分に美しく仕上がります。
片手で1音だけ弾く
先生の指示や曲の構成によっては、オクターブのうち上の音だけ、あるいは下の音だけを弾く方法もあります。
上の音だけ弾くと旋律が明確になりますし、下の音だけ弾くと低音の響きが強調されます。
どちらを選ぶかは、曲の雰囲気や子どもの得意な方向で決めてOKです。
ペダルで補う(上級者向け)
もしペダル操作が少しできるようになっていれば、音を分けて弾く際にペダルを使って響きをつなぐという方法もあります。
ただしこれはやや難易度が高く、指導者と相談しながらの練習が必要です。
成長に合わせたオクターブ練習のステップ

オクターブを弾けるようになるためには、ただ「手が大きくなる」のを待つだけではなく、手の使い方や音感のトレーニングも大切です。
ステップ1:手を広がる練習を遊び感覚で
鍵盤上で「ド」と「ソ」、「ド」と「ラ」など、5度〜6度の幅を弾いてみましょう。
これだけでも最初は大冒険!
無理なく手を広げる練習になります。
ステップ2:音の距離感を覚える
音符カードや鍵盤上で
「この音とこの音、どれくらい離れてるかな?」
という遊びを通じて、オクターブの距離感覚を身につけていくのも効果的です。
▼音符カードとはこんな感じのカードです♪
ステップ3:オクターブを含む短いフレーズに挑戦
子どもの手が大きくなってきたら、無理のない範囲でオクターブを含む短いフレーズに挑戦してみましょう。
最初は片手だけ、テンポもゆっくりでOK。
実体験:我が家の娘のケース

我が家の娘(4歳)は、現在ピアノ歴1年ちょっと。
まだオクターブには届きませんが、最近では5度の和音ならスムーズに弾けるようになってきました。
時々6度の和音にも挑戦しています♪
先生からは、
「オクターブを無理に弾かせるのではなく、まずは“広がる”ことに慣れればいいですよ」
とアドバイスをいただき、遊びの中で自然に手のストレッチを取り入れています。
発表会の曲選びのときも、「オクターブがない曲を選ぶ」または「アレンジで対応できるか」を先生と相談しながら決めていて、無理なく楽しく進められています。
まとめ|オクターブに焦らず、できる工夫を取り入れよう

子どもにとって、オクターブは“まだ先”の技術かもしれません。
でも、焦らなくても大丈夫。
手が小さくても音楽は十分に楽しめますし、成長に合わせて自然と弾ける日がやってきます。
そしてその間にできることはたくさんあります。
音を分けたり、別の音で代用したり、遊びながら音感や指の使い方を磨いていくことが、後々の演奏力にしっかりつながっていきます。
親としては、「ちゃんと弾けてるかな?」と心配になることもあるかもしれません。
しかし、“子どもがピアノを楽しめているか”を大切に見守ることで、ピアノへの気持ちがどんどん前向きになっていくはずです♪