「楽譜通りには弾けるのに、なんだか平坦な演奏に感じる」
「もっと気持ちを込めて弾きたいのに、どうすればいいのか分からない」
ピアノを弾いていて、ふと「自分には表現力がないのかも…」と感じることはありませんか?
でも、安心してください。
表現力は生まれ持った才能ではなく、少しずつ育てていける力です。
この記事では、「表現力がない」と感じている方に向けて、気持ちを音にのせるための考え方や、今日からできる練習方法をご紹介します。
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表現力がある演奏とない演奏の違いって?

同じ曲でも、演奏する人によって全く印象が変わることがありますよね。
それは「表現力」の違いによるもの。
表現力がある演奏とは、聴く人の心に何かを届けられる演奏。
単に正確に音を出すだけでなく、曲の背景や感情を感じさせるような音作りができているのです。
反対に、表現力が感じられない演奏は、どんなに間違いがなくても「音をなぞっているだけ」のように聴こえることがあります。
ピアノ演奏に「表現力がない」と感じる理由とは?

自分のピアノ演奏で、表現力が不足しているように思える原因はいくつかあります。
音の強弱(ダイナミクス)が単調
曲全体がずっと同じ音量、同じテンポで弾かれていると、どうしても平坦な印象になります。
曲のイメージがあいまい
「この曲はどういう気持ちで書かれたのか?」
という解釈が浅いと、感情が音にのりにくくなります。
弾くことに精一杯で余裕がない
ミスをしないことに集中しすぎると、気持ちを込める余裕がなくなってしまいがちです。
これらはすべて、意識や練習方法を少し変えることで改善できます。
ピアノの表現力を高めるためのヒント

曲の背景やストーリーを調べてみる
作曲家がその曲を書いた背景や、曲に込めた思いを知ることで、演奏に深みが出ます。
たとえば、ショパンのノクターンは「夜想曲」という名前の通り、夜の静けさや孤独を描いています。
知っているだけで、弾くときの気持ちが変わりますよね。
曲を言葉にしてみる
「この部分は優しい気持ち」
「ここは怒りや悲しみがある」
など、自分なりに感じたことを言葉にすることで、音に気持ちを込めやすくなります。
音楽を“音だけのもの”にせず、「気持ちの表現」と捉えてみるのがおすすめです。
他の人の演奏を聴く
同じ曲をいろんな人がどう表現しているかを比べると、
「あ、こういう風に表現するのもアリなんだ」
と発見があります。
YouTubeやストリーミングで簡単に聴ける時代なので、ぜひ活用してみましょう。
今日からできる!表現力アップの練習方法

音の強弱をつけて弾いてみる
まずはシンプルに「強く・弱く」といった違いをつける練習から。
部分ごとに「ここはやさしく、ここは力強く」と意識するだけで、印象が変わります。
初心者なら、ひとつのフレーズを「ふんわり」「しっかり」など、イメージを変えて何通りかで弾いてみるのも効果的です。
同じ曲をいろんなテンポで弾く
ゆっくり弾くと、音の響きや間(ま)を感じ取りやすくなります。
逆にテンポを上げると、流れや勢いが見えてくることも。
テンポを変えて弾きながら、「どのスピードだと曲の雰囲気が伝わるかな?」と考えてみてください。
録音して客観的に聴く
自分の演奏を録音して聴くのは、最初はちょっと恥ずかしいかもしれません。
でも客観的に聴いてみると、
「思っていたより一本調子だな」
とか
「ここはもっと溜めた方が良さそう」
と気づけることがたくさんあります。
成長を感じやすくなるので、記録として残すのもおすすめです。
最後に:表現力は“センス”じゃなく“積み重ね”

「自分のピアノには表現力がない」
と落ち込む必要はまったくありません。
表現力は感覚ではなく、ちょっとした意識と練習の工夫で、誰でも育てていけるものです。
大切なのは「伝えたい気持ちがあるかどうか」。
それがあれば、あなたの演奏はきっと誰かの心に届きます。
焦らず、ひとつずつ。
音を楽しむ気持ちを忘れずに続けていきましょう