ピアノの上達には「指の動き」や「リズム感」といったテクニックがもちろん大事。
でもある程度弾けるようになってくると、次に気になってくるのが「ピアノの表現力」ではないでしょうか?
「子どもがただ楽譜通りに音を鳴らすだけではなく、気持ちを込めて演奏するようになるのって、いつ頃からなの?」
「そもそも子どもに表現力を求めるのって、早すぎない?」
と悩んでしまう保護者の方も多いはず。
今回は、そんな「表現力」について、表現力を意識し始めるタイミングや、どうやって育てていくかを、我が家の経験やピアノ教室の先生から聞いた話も交えながらお話ししていきます。
目次
ピアノの「表現力」ってそもそも何?

まず、「表現力」って言われるとすごく曖昧な言葉に感じませんか?
簡単に言えば、「その子なりに気持ちを込めて演奏する力」のこと。
- 楽しい気持ちを元気に弾く
- 悲しいメロディを優しく歌うように弾く
- クレッシェンドやデクレッシェンドでドラマを作る
などなど。
この「感情を乗せてピアノを弾く」ことができるようになると、聴いている人の心に響く演奏になります。
ピアノ演奏で表現力を意識するのは何歳から?

子どもの成長には個人差があるので一概には言えませんが、5~6歳ごろから少しずつ芽が出てくることが多いようです。
ただ、はじめのうちは「音を間違えないで弾く」ことで精一杯なので、いきなり表現力を求めるとプレッシャーになることも。
我が家の娘(現在4歳)も、まだ表現云々というより「楽譜を追って弾くので手一杯」といった感じです。
でも、小さな子でも「強く弾いてみて!」や「優しくしてみようか?」という声かけには反応してくれるので、遊び感覚で表現に触れさせていくのが◎です。
子どもの表現力を育てるためにできること

では、子どもに表現力をつけてもらうために、親としてできることって何があるのでしょうか?
絵本などで感情を共有する経験を大切に
表現力はピアノだけで育つものではありません。
普段の生活の中で「気持ちを表現する」「物語を想像する」経験がとても大事!
たとえば絵本を読んでいて、
- 「この子はどんな気持ちだったかな?」
- 「泣いてるのは悲しかったからだね」
といった会話を重ねることで、感情の言語化ができるようになります。
これが後々、曲のイメージをつかむ力につながっていきます。
曲のイメージを一緒にふくらませてみる
子どもが弾く曲に対して、
「この曲、どんな場面っぽい?」
と聞いてみたり、
「これはおばけが出てきそうな音だね!」
などと物語を一緒に想像するのも効果的。
「この部分はお姫様が登場するシーンにしようか!」
「ここはお城が崩れるところみたいだね」
と、遊びながら音に感情を乗せていくようなやり取りが、自然に表現力の土台になっていきます。
聴く力も育てよう
演奏だけでなく、「聴く力」も表現力には欠かせません。
クラシックに限らずピアノ曲や歌など、いろんなジャンルの音楽を一緒に聴いてみてください。
「この曲、どんな気持ちになる?」
「この人のピアノ、どこが素敵だった?」
といった会話を通して、「どう感じたか」を言葉にすることが習慣になると、表現する力にもつながります。
完璧を求めすぎないことが大事
子どもが間違えずに弾けるようになったからといって、
「じゃあ次は気持ちを込めて!」
といきなりハードルを上げすぎると、逆効果になることも…。
「今の弾き方、すごく優しかったね」
「そのところ、元気な音でかっこよかったよ」
など、ポジティブな声かけで表現力に気づかせていくことが、何より大切です。
ピアノの表現力は「育てるもの」

大人でも、表現力ってすぐには身につきませんよね。
子どもならなおさら、「まだできない」のではなくて、「これから育っていく」ものです。
焦らず、急がず、その子なりのペースで音楽を楽しんでいくことが、表現力を育てる一番の近道かもしれません。
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まとめ:表現力は“タイミング”より“きっかけ”
「いつから表現力を意識すればいいの?」
という問いに対して、答えはひとつではありません。
大事なのは、「表現するって楽しいことなんだ」と、子ども自身が思えるような経験を積ませてあげること。
おうちでの何気ないやり取りや、ちょっとした声かけが、子どもにとっての「きっかけ」になります。
焦らず、でもちょっと意識して。
楽しみながら、子どもと一緒に“気持ちのこもった音”を育てていきましょう!