「思うように弾けないと落ち込む…」
「ミスしたところばかり気になってしまう」
「納得いくまで同じ小節を何十回も練習してしまう」
こんな風に、自分に厳しくピアノに向き合っているあなた。
それは“真面目で努力家”という立派な強みです。
でも、その完璧主義が知らず知らずのうちにピアノの楽しさを奪ってしまっているとしたら、ちょっともったいないですよね。
この記事では、完璧主義の大人が無理なく楽しくピアノを続けるためのコツをお届けします。
目次
完璧主義さんの大人ピアノあるある

まずは、自分がどんなタイプか振り返ってみましょう。
こんな傾向がある方は、かなり“完璧主義”気質かもしれません。
- 楽譜通りに完璧に弾けないと納得できない
- 一音のミスが気になって最初からやり直す
- 練習時間よりも「練習の質」にこだわりすぎて疲れる
- 他人と比べて落ち込む
- 「今日もダメだった」と自己嫌悪になりがち
こうした完璧主義傾向は、上達を助ける側面もある反面、楽しさを感じにくくなる落とし穴でもあります。
なぜ完璧主義だとピアノが続きにくいのか?

完璧主義の人は「こうあるべき」という理想が高いため、少しの進歩では満足できず、達成感を得にくい傾向があります。
特にピアノのように「すぐには上達しにくい趣味」では、
- 上達を実感できない
- 失敗がストレスになる
- そもそも“楽しい”と感じられない
という状態に陥りやすくなります。
好きで始めたピアノなのに、いつの間にか「やらなきゃ」に変わっていませんか?
その結果、「もう無理…」とあきらめてしまうのは、実にもったいないことです。
完璧主義さんが“楽しくピアノを続ける”ための5つのコツ

【1】「100点を目指す」から「60点でOK」へ意識を変える
完璧を求めすぎると、一歩も前に進めなくなります。
たとえば…
- 「ミスゼロで通してから次の曲へ」ではなく、
- 「ミスがあっても通してみる。気に入らなければ戻る」でOK。
60点で合格というルールを自分に与えてあげることで、精神的にも楽になり、練習が前向きになります。
【2】“ミス”を責めない。むしろ「データ」として使う
間違えた場所は、あなたの脳と指がまだ結びついていない“練習ポイント”です。
そこを見つけられたということは、むしろラッキー!
- 「この部分、まだ苦手なんだな」と冷静に観察
- 「明日はそこだけを5分だけやろう」と戦略的に取り組む
ミスを感情的に受け止めるより、情報として扱う視点を持つと、グッと楽になります。
【3】“成果”より“楽しさ”をゴールにする
練習の成果を「弾けるようになったかどうか」だけで判断していませんか?
でも本来、趣味って「やっている時間が楽しい」ことが大切です。
- 弾けなくても「今日ピアノ触れてよかった」
- 上手くいかなくても「このフレーズ気持ちいいな」
そんなふうに“感覚”に目を向けると、自然と練習時間が充実していきます。
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【4】“録音”は反省より「記録」として活用する
録音は完璧主義の人にとってはつらいアイテムになりがちですが、「反省材料」ではなく「成長の記録」として使うとポジティブになります。
- 今日の演奏を録っておいて、1か月後に聞き返す
- 小さな変化を見つけて「進歩してる!」と実感する
過去の自分と比べることは、他人と比べるよりずっと励みになります。
【5】「失敗してもOK」という練習タイムを作る
練習中に「失敗しちゃダメ」と思っていると、指がこわばり、音も硬くなってしまいます。
週に一度でもいいので、「ミスしても気にしない日」を作ってみてください。
- 楽譜を見ずに気楽に弾いてみる
- 1曲通して弾ききることだけを目標にする
- いつもよりテンポを落として、音を感じながら弾く
「自由に弾く時間」があることで、ピアノへの向き合い方が柔らかくなり、音にも“ゆとり”が出てくるようになります。
ピアノにおいて完璧主義は“悪い”ことじゃない

ここまで読んで、「完璧主義な性格を直さないといけないのかな」と思った方もいるかもしれません。
でも、完璧主義はピアノを深く学ぶ上で大きな武器にもなります。
- 楽譜を丁寧に読み込む
- 音のニュアンスを意識して練習できる
- 粘り強く取り組むことができる
こういった姿勢は、確実に音にあらわれます。
だからこそ大切なのは、“完璧じゃなくても楽しめる心の余白”を作ることです。
まとめ|ほどよく不完全なままで、ずっとピアノと付き合っていこう

大人から始めるピアノは、上達より“続けること”の方がずっと難しいと言われます。
その中で完璧を求めすぎると、燃え尽きたり自信を失ってしまうことも。
だからこそ、「間違えてもOK」「今日はこれでよし!」と、自分を認める習慣を大切にしてください。
ピアノは、長く付き合えば付き合うほど、味わいが増していく楽器。
完璧じゃなくていい。
“あなたらしい音”を、ゆっくり育てていきましょう。