ピアノを習い始めると、だんだん耳にするようになる言葉、「表現力」。
でも、
「表現力ってなに?」
「ただ楽譜通りに正しく弾くだけじゃダメなの?」
と、子どもだけでなく親にとってもピンとこないことってありますよね。
この記事では、ピアノにおける表現力の意味や、子どもが自然と身につけられる育て方について、わかりやすく紹介していきます。
目次
ピアノにおける「表現力」って何?

「表現力」とは、ただ楽譜通りに音を出すのではなく、その曲の雰囲気や気持ちを音にのせて伝える力のことです。
たとえば、同じ「きらきら星」でも、
明るく元気に弾いたらウキウキする曲に。
ゆっくり優しく弾いたら眠る前の子守唄みたいに。
…こんなふうに、弾き方ひとつで全然ちがった印象になりますよね。
つまり「表現力」は、音で気持ちを伝える“音のことば”とも言えるのです。
ピアノの表現力っていつから意識すればいいの?

「表現力」と聞くと、ちょっと難しそうに思えるかもしれません。
でも、実はピアノを始めたばかりの子どもでも、すでに表現する力の“芽”は持っています。
例えば、
「この曲、にこにこしてる感じだね」
「ここはネコが歩いてるみたいに静かに弾いてみようか」
こんな声かけだけで、子どもはすぐに気持ちをこめて弾くようになります。
なので、「表現力を意識するのはいつから?」の答えは、「いつでもOK」なんです。
ただし、本格的に表現力の細かい練習(強弱や間の取り方など)を始めるのは、ある程度の技術がついてからの方がスムーズです。
まずは「音を楽しむ」「音で遊ぶ」といった気持ちを大切にするところから始めるのが◎。
関連記事はこちら▶子どものピアノ練習で表現力を意識し始めるのはいつから?今日からできる表現力の育て方
子どものピアノの表現力を育てる3つのポイント

曲のイメージを一緒に考える
「この曲はどんな場面の音かな?」
と親子で話すだけでも、子どもは自然と気持ちを音にのせるようになります。
たとえば、
「これはお花が咲いた時の音みたい」
「ここはおばけがこっそり出てくるところかな?」
など、想像を広げて一緒に楽しむことが大切です。
強弱やテンポを遊び感覚で体験する
ピアノの前だけでなく、手拍子やリズム遊び、歌を歌う中でも
- 大きい音・小さい音
- はやい・ゆっくり
を感じる練習ができます。
ゲーム感覚で、
「今度はゾウさんの足音で」
「次はネズミさんで!」
といった声かけで、自然と“音に表情をつける”ことを学べます。
上手な演奏を一緒に聴く
親子でクラシックコンサートに行くことは難しくても、YouTubeなどでコンクール演奏や、プロのピアニストの演奏を一緒に観るのもとても効果的です。
「この子の演奏、どんな感じがした?」
「ここ、なんかドキドキしたね!」
と感想を共有することで、音の表現に敏感になっていきます。
「ミスを減らすこと」と「表現すること」は別もの

ピアノの練習中は、ついつい「間違えずに弾く」ことに意識がいってしまいがちです。
しかし、ピアノの楽しさって本当は「音で気持ちを伝える」こと。
もちろん正確さも大切だけど、少しくらい間違えても、その子らしい表現ができていれば、それはとても素敵な演奏です。
表現力は「育てる」より「引き出す」もの
表現力は“教え込む”というより、“もともとある感性を引き出していく”イメージが近いです。
子どもたちは本来、音や気持ちにとっても敏感。
だから、ちょっとしたきっかけで自分らしい音を出せるようになります。
親としてできるのは、その感性の芽にそっと水をあげるような関わり方。
無理に教えようとしなくても、いっしょに楽しむだけで表現力は少しずつ育っていきます。
関連記事はこちら▶ピアノ初心者の親必見!親子連弾を楽しむための基礎練習法
まとめ:音の「気持ち」を大切に

ピアノにおける表現力とは、音を通して気持ちを伝えること。
それは難しいことではなく、子どもたちが本来持っている力を少しずつ引き出してあげることなんです。
今日の練習から、ちょっとだけ「どんな気持ちで弾こうかな?」と親子で話してみてくださいね。
きっと、これまで以上に“音を楽しむ”時間になるはずです🎵