- 「曲は通して弾けるのに、どうしてもどこかでミスする」
- 「だいたい弾けてるはずなのに、何度やっても完璧な演奏にならない……」
ある程度ピアノが弾けるようになってくると、次にぶつかるのが“ノーミスの壁”です。
初心者のときは「とにかく両手で最後まで弾けること」が目標だったのに、ある程度上達してくると“仕上がりの質”にこだわりたくなる。
これはとても自然な流れです。
この記事では、「ある程度弾けるのにノーミスが難しい」人に共通する3つの原因を解説し、それぞれに合った改善のヒントをご紹介します。
目次
ノーミスで弾けない原因①:「弾けている=安定している」とは限らない

なんとなく弾けている状態は、実は不安定
ピアノをある程度弾けるようになると、
- テンポ通りに弾ける
- 譜読みも完了している
- 暗譜もある程度できている
という状態になります。
しかし、この「ある程度弾ける」という状態、実はミスが起こりやすい“曖昧さ”を含んでいます。
- 指は動いているけど、手順や音が頭にしっかり入っていない
- 一部だけ手癖で弾いていて、根本的に覚えていない
- 特定のテンポでしか弾けず、柔軟性がない
こうした「不安定な安定」では、ちょっとした緊張や注意の揺れですぐにミスが起きます。
改善ポイント:テンポを変えても弾けるか?
- わざとテンポを遅く・速くして弾いてみる
- 片手ずつ・片方の目隠し練習をしてみる
- 「この音の後に何の音がくるか」を声に出して確認する
こうした練習を通じて、ただ弾けるのではなく“中身のある弾き方”を目指すことで、ミスの頻度は格段に減っていきます。
ノーミスで弾けない原因②:ピアノ練習のパターンが偏っている

いつも通し練習ばかりになっていない?
ある程度弾けるようになると、つい「通し練習ばかり」になってしまう人は少なくありません。
- ミスしてもそのまま通してしまう
- 毎回同じ場所でミスするのに、原因分析をしない
- 「最後まで弾くこと」に満足してしまう
このように、練習の質よりも量に偏ってしまうと、演奏の精度は上がりません。
よくある偏りの例
偏っている練習内容 | よく起きる問題 |
通し練習ばかり | 途中で崩れても気づかないまま終了する |
速いテンポばかり | 雑になりやすく、音が流れてしまう |
苦手な箇所を避ける | 毎回同じ場所でつまづく |
改善ポイント:練習の引き出しを増やす
- 1小節ごとに逆再生練習(最後から順に弾いていく)
- ミスしたところだけを3日連続で重点練習
- 録音して「聴いて練習」する習慣をつける
こうした「いつもと違う練習法」は、脳に新たな刺激を与え、仕上がりの精度を一段階引き上げてくれます。
ノーミスで弾けない原因③:中級者に特有の“油断”や“焦り”

「だいたいできるからOK」が落とし穴に
ピアノ歴がある程度長くなると、「これくらいでいいか」と手を抜いてしまう場面が増えてきます。
- 暗譜があいまいでも「まあ大丈夫そう」と流してしまう
- ピアノ本番直前に「なんとかなる」と思い込み、細かい調整をしない
- 「通し練習でミスしなかったから、OK」と判断してしまう
この“見えない油断”こそが、ノーミスを妨げる大きな原因です。
焦りも逆効果
また、逆に完璧を目指しすぎて、ミスを恐れるあまり焦ってしまうこともあります。
- 「今までノーミスで来たから、このまま最後までいけるはず!」
- 「録画だから絶対ミスできない……」
こうしたプレッシャーと焦りが、普段の安定感を崩してしまうのです。
関連記事はこちら▶ピアノ発表会で暗譜が飛んだらどうする?本番での対処方法と事前に練習できる予防策
改善ポイント:「一度のノーミスよりも、再現性」
- ノーミスよりも“安定した演奏を再現できる力”を目指す
- 毎回同じテンポ・同じ指使い・同じ表現ができるかに注目
- “少しミスしても立て直せる”安心感をつけておく
自分にとっての“最良の演奏”がどんな状態かを定義しておくと、焦らず丁寧に仕上げられます。
まとめ|ピアノがノーミスで弾けないのは上達の証でもある

「ある程度弾けているのにノーミスで弾けない」
と悩むとき、それは“もっと高い完成度を目指せる段階”に来ている証拠でもあります。
もう一度、以下の3つの視点で見直してみましょう。
よくある3つの原因
- 弾けてる“つもり”で定着していない
- 練習の偏りが仕上がりを甘くしている
- 油断・焦りがミスを引き起こしている
ノーミスで弾けるようになるには“実力”だけでなく、演奏の仕上げ方や意識の持ち方も重要です。
「自分、なんでノーミスできないんだろう?」
その疑問が出てきた今が、演奏力を一段階引き上げるチャンス。
焦らず丁寧に、ミスの奥にある原因を探って、“安心して最後まで弾ける自分”に近づいていきましょう♪