ピアノを弾いていて、「なんだか和音がガチャガチャして綺麗に聴こえないな…」と感じたことはありませんか?
同じ和音でも、弾き方ひとつで音の響きはぐっと変わります。
今回は、“ベタ弾き”(=すべての音を同じように弾いてしまうこと)から卒業して、和音をふわっと優しく、時には堂々と響かせるためのテクニックをご紹介します。
初級者から中級者のお子さんや、ピアノ指導をされる親御さんにも参考になる内容です。
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目次
ピアノの「和音が響かない」原因とは?

まず、和音が濁って聴こえたり、バラバラに聴こえてしまう原因を探ってみましょう。
主な原因はこの3つ!
- 指の重さや力加減がバラバラ
→強く押しすぎる指と弱すぎる指が混在すると、バランスが崩れます。 - 全部の音を同じ強さで弾いてしまう
→メロディーや内声を意識せず、すべてを均一に弾くと“ガチャ弾き”に。 - 腕や手首が固まっている
→脱力できていないと、指先に必要以上の力が入り、不自然な音になります。
では、これらをどう解消していけば良いのでしょうか?
次章からは、具体的なテクニックをご紹介します。
脱・ベタ弾き!和音を美しく響かせるテクニック

テク①:重心をメロディに置く
和音の中で「主役になる音」(メロディ)を意識しましょう。
例えば、右手の和音で一番上の音がメロディであれば、その音だけ少し意識して強めに、他はそっと添えるように弾きます。
🎵ポイント:
「主役と脇役」を意識すると、音楽が立体的になります!
テク②:指の重さをコントロールする
力を「入れる」のではなく「預ける」イメージで、指先に重みを伝えます。
バン!と鍵盤にぶつけるのではなくスッと沈めるように弾くと、柔らかく優しい響きになります。
🎵練習法:
和音を弾くときに、手を一度上から落として(重力を使って)自然に沈める練習をしてみましょう。
テク③:ペダルでふんわり感をプラス
和音の響きを助けるアイテムが「ダンパーペダル」(ピアノの右ペダルのことです♪)。
ただし、踏みっぱなしにすると音が濁ってしまうので注意!
鍵盤を押したタイミングで踏み、次の和音の直前で一度上げてから踏み直す“踏み替え”を意識しましょう。
🎵おすすめ練習:
和音を一つ一つ弾きながら、ペダルのタイミングだけを練習してみるのも◎。
ピアノの和音をより美しく!さらに一歩上の表現テク

テク④:内声(ないせい)を意識してみる
メロディでも伴奏でもない、中の音=「内声」にも気を配ってみましょう。
内声をうっすら浮かび上がらせると、音楽に深みが出てきます。
🎵具体例:
バッハやモーツァルトなどは、内声を丁寧に響かせることで曲がぐっと美しくなります。
テク⑤:手首と腕の脱力をマスターする
美しい音を出すには、手首や腕の柔らかさがカギ。
力を抜いて、腕全体でふんわりと鍵盤に重さを乗せていくことで、丸みのある優しい音が出ます。
🎵ストレッチおすすめ:
鍵盤に手を置いた状態で手首を軽く揺らす「プラプラ運動」で脱力を体に覚えさせましょう。
子どもに伝わる!簡単ワンポイントアドバイス

お子さんがベタ弾きしてしまう場合は、こんな言い方もおすすめです。
- 「この和音の中で一番きれいに歌ってほしい音はどれだと思う?」
- 「お話しするとき、全部同じ声の大きさじゃつまらないよね?ピアノも一緒だよ」
楽しみながら“主役の音を意識する”感覚を育てていくことが大切です。
関連記事はこちら▶ピアノが続く子の特徴・性格とは?楽しく長く続けるための練習習慣
ピアノの和音練習におすすめの曲

以下のような曲は、和音の響きを練習するのにぴったりです。
- バッハ《メヌエット ト長調》
- ブルグミュラー《アラベスク》や《清い流れ》
- ベートーヴェン《エリーゼのために》(中間部)
どれも比較的弾きやすく、和音の美しさを意識しやすい曲ばかり。
「ただ音を押す」のではなく、「どう響かせたいか」を考えながら練習してみましょう。
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まとめ|和音を“音楽”として奏でよう

和音を美しく響かせるには、ただ鍵盤を押すだけでは足りません。
大事なのは、“聴かせたい音”を意識しながら、指先・手首・腕をコントロールすること。
ベタ弾きから脱却して、音のバランスや響きを楽しめるようになれば、ピアノの演奏はもっともっと豊かになりますよ♪
焦らず一歩ずつ、自分の耳と感覚を育てながら進んでいきましょう!