ピアノ教室に通い始めると必要なのが、自宅練習用のピアノ。
多くの家庭で「電子ピアノでも大丈夫?」という疑問が出てくると思います。
最近の電子ピアノは進化していますが、先生によっては「電子ピアノはダメ」と指導されることも。
本記事では、電子ピアノと生ピアノ(アコースティックピアノ)の違いや、先生が電子ピアノを推奨しない理由について詳しく解説します。
ピアノ教室に通うのに電子ピアノは本当にダメ?

ピアノ教室によってはホームページに「電子ピアノ不可」と明記しているところもありますが、なぜなのでしょうか?
主な理由を見てみましょう。
タッチの違いが演奏に影響する
電子ピアノと生ピアノでは、鍵盤の重さや打鍵感が異なります。
生ピアノでは、指の力加減やペダルの踏み方で繊細な表現ができますが、電子ピアノでは完全に再現するのが難しいため、上達の妨げになることがあります。
音の響きが違う
電子ピアノはスピーカーから音が出るため、音の広がりや深みが生ピアノとは異なります。
先生によっては「ピアノの音作りを学ぶには生ピアノでないと難しい」と考えることも。
コンクールや発表会に影響する可能性
発表会やコンクールは基本的に生ピアノで行われるため、普段電子ピアノで練習していると本番で戸惑うことがあります。
そのため、「本番で困らないように最初から生ピアノで」と指導する先生も多いです。
先生の本音!電子ピアノでもOKな先生の考え

「ピアノを習うなら生ピアノ(アコースティックピアノ)がいい」と言われることも多い中、最近では電子ピアノでもOKという先生も増えてきました。
もちろん、どの先生にもそれぞれの考え方がありますが、電子ピアノを許容してくれる先生がどんな理由でそうしているのかを、いくつかの視点からご紹介します。
初心者のうちは電子ピアノでも問題ないと考える先生
まだピアノを始めたばかりの頃は、指の力や音の表現力もこれから育っていく段階。
そのため「基礎を学ぶ段階では電子ピアノでも十分」と考える先生もいます。
鍵盤に慣れたり、楽譜を読む力をつけたりするには、電子ピアノでもしっかり練習できます。
「続けられるかわからないのに、いきなり高価な生ピアノを買うのはハードルが高い…」
というご家庭も多い中で、気軽に始められる電子ピアノはむしろ大歓迎というスタンスの先生もいらっしゃいます。
住宅事情を考慮して許可する先生
都市部のマンションやアパートでは、生ピアノの音がどうしてもご近所迷惑になることもありますよね。
特に夜間の練習が難しかったり、防音対策が大変だったり…。
そういった住宅事情を理解して、電子ピアノの使用を認めてくれる先生もいます。
「練習できる環境を整えることが一番大事。音が出せなければ意味がないから」
と、生徒さんやご家庭の事情に寄り添ってくれるのはとても心強いですよね。
生ピアノに近い高性能な電子ピアノならOKという先生
最近の電子ピアノは技術の進化がすごくて、中にはタッチや音の響きが生ピアノにかなり近いモデルもあります。
そういった電子ピアノであれば、「練習用として十分」と考える先生も多いです。
具体的には、88鍵で鍵盤の重さ(タッチ)がしっかりしているモデルや、ペダルの感覚もリアルに再現された機種などが当てはまります。
「ピアノに近い感覚で練習できるなら、ステップアップもしやすい」
ということで、条件付きで電子ピアノを認めている先生もいます。
先生の本音!電子ピアノはNGな先生の考え

一方で「ピアノを習うなら必ずアコースティックピアノを用意してほしい」とおっしゃる先生もいらっしゃいます。
なぜ電子ピアノではダメなのか、その理由をいくつか見ていきましょう。
最初から本格的な演奏技術を身につけてほしいと考えている先生
上述したように電子ピアノとアコースティックピアノでは、鍵盤の重さや反応、音の響きがまったく違います。
そのため、最初から本物の音やタッチに慣れることが、正しい奏法を身につけるためには不可欠だと考える先生もいます。
「一度クセがついてしまうと、あとから矯正するのが大変」
という理由で、導入期から本格的な練習環境を整えてほしいというスタンスです。
コンクールや発表会を視野に入れている先生
将来的にコンクールや発表会での演奏を目指している場合、本番のピアノはもちろんアコースティックピアノ。
日々の練習から本番と同じ環境に近い状態で行うことが、ステージで実力を発揮するためには重要になります。
そのため「コンクールに出るなら電子ピアノでは対応できない」と断言する先生も少なくありません。
本気で音楽の道を進みたい、または人前でしっかり演奏できる力をつけたいというご家庭には、最初から生ピアノの導入が推奨されます。
音やタッチの違いを大きなデメリットと考えている先生
電子ピアノとアコースティックピアノでは、「音の響き方」「鍵盤の戻り方」「タッチの微妙なニュアンス」など、細かい部分での違いがどうしても存在します。
特に表現力を求められる中級・上級になると、繊細な音の違いを感じ取ってコントロールする力が求められます。
このとき、「電子ピアノで練習しているとその感覚が育ちにくい」と考える先生も多く、音楽的な成長を妨げる可能性があることを懸念されるようです。
電子ピアノNGの先生は決して厳しいだけではなく、生徒の将来の可能性を広げたいという思いを持っていることが多いです。
どこまでのレベルを目指すかによって、先生の考え方や求める練習環境も変わってくるんですね。
このように、先生の指導方針によって電子ピアノに対する意見が分かれるため、ピアノ教室を選ぶ際には事前に確認することが大切です。
どうしても電子ピアノしか置けない場合の対策

「グランドピアノやアコースティックピアノがいいのは分かるけど、住宅事情で無理!」という家庭も多いですよね。
その場合は、以下の対策を考えましょう。
生ピアノに近い電子ピアノを選ぶ
鍵盤の重さやタッチがリアルなモデルを選ぶことで、生ピアノに近い感覚を養えます。
レッスン室やレンタルピアノを活用する
ピアノ教室のレッスン室を借りたり、月額制で生ピアノをレンタルできるサービスを活用するのもおすすめです。
定期的に生ピアノで練習する機会を作る
友人や親戚の家、公共施設などで生ピアノに触れる機会を増やしましょう。
まとめ

ピアノ教室で電子ピアノがダメと言われる理由は、タッチや音の違いが上達に影響するからです。
ただし先生によっては「電子ピアノでもOK」と考える場合もあり、教室選びが重要になります。
どちらが正しいではなく「わが家に合う先生」を選ぼう
どちらの考え方にも、子どもやご家庭への思いやりが根底にあります。
大切なのは「その先生の方針が、わが家の方針や環境と合っているかどうか」です。
まずは体験レッスンなどで直接お話を聞いてみて、納得できる先生との出会いを大切にしてみてくださいね♪
先生と相談しながら、最適な環境を整えてあげましょう。