ピアノの楽譜には「初級」「中級」「上級」といったレベルがありますが、その違いがどこにあるのか分かりにくいと感じる人も多いでしょう。
特に独学でピアノを始める場合や、子どもに合った楽譜を選ぶ際には、どのレベルを選べばよいのか迷うことがあります。
そこで、ピアノにおける初級・中級・上級の楽譜の難易度の違いを詳しく解説します。
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目次
ピアノの楽譜の初級・中級・上級は何が違うの?

島村楽器などの楽器屋さんや、ヤマハぷりんと楽譜などのオンラインサイトでピアノの楽譜を購入する際に、よく「初級」「中級」「上級」とかかれた文字を見かけますよね。
ほかにも「簡単に弾ける」「ピアノ入門」「簡単アレンジ」「中上級アレンジ」「ピアノ上級アレンジ」など、それってどのくらいのレベルなのかよく分からない言葉がズラリ。
私自身、大人になって独学でピアノを再開したのですが、先生に教わったわけではないため教本を持っておらず。
とりあえず楽譜を買おうとしたものの、
どの難易度の楽譜を最初に購入したら良いのか分からない!
という状態になってしまいました。
ピアノのレベルには明確な区分があるわけではないため、
私って初級なの?それとも中級?(決して上級ではない)
と、楽譜選びに難航。
そこで、ピアノ「初級」「中級」「上級」の難易度の違いをまとめます。
関連記事はこちら▶バイエル修了程度はどのくらいのレベル?弾ける曲の目安と次におすすめの教材を解説
ピアノ初級の楽譜の特徴

ピアノ初級レベルの楽譜の特徴
初級レベルの楽譜は、ピアノを始めたばかりの人でも無理なく弾けるように作られています。
- 両手の動きがシンプル:基本的には右手がメロディー、左手が簡単な和音や単音を弾く形が多い。
- 音域が狭い:楽譜の中央部分を中心に書かれており、大きく手を広げる必要がない。
- リズムが単純:四分音符や八分音符が中心で、16分音符や複雑なリズムは少なめ。
- 指の動きが少ない:オクターブ以上の広がりが少なく、手の移動も最小限に抑えられている。
などの特徴があります。
ピアノ初級レベルの有名曲
このレベルの代表的な楽譜には、
- バイエル前半の練習曲
- 「きらきら星」「メリーさんのひつじ」などの童謡
- やさしくアレンジされたクラシック曲
などがあります。
ピアノ中級の楽譜の特徴

ピアノ中級レベルの楽譜の特徴
ピアノの中級レベルになると、指の動きが増え、表現の幅も広がります。
- 両手の役割が複雑になる:右手だけでなく、左手もメロディーや伴奏の変化を担当することが多い。
- 音域が広がる:オクターブを超える音域を使い、手の移動が必要になる。
- リズムが多様化:16分音符やシンコペーションなど、リズムの変化が増える。
- 装飾音が加わる:トリルやアルペジオなど、装飾的な奏法が含まれることがある。
などが特徴として挙げられます。
ピアノ中級レベルの有名曲
このレベルでは、
- バイエル後半の練習曲
- ブルクミュラー25の練習曲
- 簡単なソナチネ
- アレンジ版のポピュラー曲
などが該当します。
発表会でよく演奏される
- 「エリーゼのために」
- 「子犬のワルツ」
などのクラシック曲も中級程度の楽譜としてよく使用されます。
ピアノ上級の楽譜の特徴

ピアノ上級レベルの楽譜の特徴
上級レベルになると、技術的にも表現力の面でも高度なスキルが求められます。
- 左右の手が独立して動く:両手ともメロディーや複雑な伴奏を担当し、独立した動きが必要。
- 音域がさらに広がる:88鍵盤全体を使い、瞬時の手の移動が求められることが多い。
- リズムが複雑:速いパッセージや、変拍子、ポリリズムなどが含まれることもある。
- 表現力が重要:単に弾くだけでなく、強弱やペダルの使い方など、演奏表現の工夫が求められる。
が特徴です。
ピアノ上級レベルの有名曲
このレベルになると、
- ショパンのエチュード
- ベートーヴェンのソナタ
- ラフマニノフの前奏曲
など、本格的なクラシック曲が多くなります。
また、ジャズやポピュラー音楽でも、即興演奏が求められる楽譜は上級レベルに分類されることが多いです。
クラシックの代表曲「エリーゼのために」で難易度を比較!

ここまで読んで「正直よく分からない」という方のために、同じ曲のアレンジの違いによる難易度の違いを見ていきたいと思います。
ピアノ曲の定番「エリーゼのために」は先ほど紹介したように、原曲だと中級程度のレベルです。
しかし、ヤマハぷりんと楽譜には初級から上級まで色々なアレンジが載っているので、見てみましょう。
初級「エリーゼのために」

「エリーゼのために」を初級レベルの楽譜で演奏する場合、主に右手でメロディを弾き、左手はシンプルな伴奏を担当します。
指番号やドレミの記載があるので初心者でも比較的取り組みやすいですね♪
▼楽譜詳細はこちら
【ピアノ楽譜】【初級】エリーゼのために
中級「エリーゼのために」

中級レベルでは、曲のテクニックが一段と要求されます。
右手でのメロディ演奏は引き続き行いますが、左手の伴奏はより複雑な動きをし、アルペジオや分散和音のパターンが登場します。
中級者は、メロディを表現豊かに演奏することが求められ、アクセントやダイナミクスをしっかりと入れることで、より音楽的な演奏ができます。
また、速いパッセージや複雑なリズムが少しずつ登場するので、しっかりとしたリズム感も身につける必要があります。
▼楽譜詳細・演奏動画はこちら
【ピアノ楽譜】【中級】エリーゼのために
上級「エリーゼのために」

上級アレンジとして掲載されているジャズアレンジの「エリーゼのために」は、クラシックの原曲から大きくアプローチが変わります。
クラシックの「エリーゼのために」の直線的なリズムから解放され、ジャズ特有のスウィングやオフビートを強調することで、リズムに躍動感を与えます。
右手のメロディは、オリジナルのメロディを保ちながら、装飾音やグリッサンド(滑らかな音の移動)などのテクニックを加えることで、ジャズの雰囲気が出ています。
左手の伴奏も、クラシックの簡単なアルペジオや和音のパターンから、より複雑なコード進行に変わっています。
▼楽譜詳細・演奏動画はこちら
【ピアノ楽譜】【上級】エリーゼのために・ジャズアレンジ
どのレベルの楽譜を選ぶべき?判断基準とは?

楽譜のレベルは、個人の技術や目標によって選ぶべきものが変わります。
- 初心者やピアノを始めたばかりの人 → 初級の楽譜からスタートし、無理なく基礎を身につける。
- ある程度弾ける人 → 中級の楽譜で、技術を広げつつ表現力を養う。
- 本格的にピアノを極めたい人 → 上級の楽譜に挑戦し、演奏の幅を広げる。
自分のレベルより少し上の楽譜に挑戦することで、技術を向上させることもできます。
ただし、無理をして難しい楽譜を選ぶと練習が苦しくなってしまうこともあるため、バランスを考えて選ぶことが大切です。
まとめ

ピアノの楽譜にはさまざまなレベルがありますが、どのレベルであっても自分のペースで楽しみながら弾くことが一番大切です。
自分に合った楽譜を選び、無理なくステップアップしていきましょう。
記事内で紹介したヤマハぷりんと楽譜についての詳細はこちら▶ヤマハぷりんと楽譜の評判は?実際に使って感じたメリット・デメリット