ピアノの発表会では、暗譜で演奏するのが一般的とされています。
しかし、すべての発表会で暗譜が必須とは限らず、状況によって異なる場合もあります。
この記事では、ピアノ発表会における暗譜の必要性、暗譜のメリット・デメリット、そして暗譜を成功させるためのコツについて解説します。
ピアノ発表会で暗譜は必要?

ピアノの発表会では、多くの子どもや大人が暗譜で演奏します。
これは、楽譜を見ないことで表現に集中しやすくなり、演奏がスムーズになるという考えがあるためです(暗譜のメリットについては後述しますね♪)。
ただし、すべての発表会で暗譜が必須なわけではありません。
暗譜が求められるケース
- コンクールや正式な発表会では、暗譜が原則となることが多い
- 発表会の運営方針として暗譜が推奨されている場合
- 練習を重ねて楽譜がなくても弾ける状態になっている場合
暗譜が必須でないケース
- 初めての発表会や小規模な発表会では楽譜を見てもOKなことがある
- 先生が暗譜にこだわらず、演奏を楽しむことを重視している場合
- 大人の趣味の発表会(ピアノ弾き合い会)などでは、楽譜を見ても問題ないことが多い
我が家の娘が通っているピアノ教室の場合
我が家の娘は個人ピアノ教室に通っており、毎年1回発表会があります。
そこではソロ曲と連弾曲を演奏するのですが、ソロ曲は暗譜必須、連弾曲は暗譜しなくてもOKというルールになっています。
ソロ演奏は発表会のメインなので暗譜が求められますが、連弾はあくまで余興なので暗譜しなくても大丈夫のようでした。
娘が初めて発表会に出演したのは4歳の時で、短いソロ曲が3曲あったのですが、すべて暗譜。
4歳でも暗譜必須…!暗譜したことないのに!
最初はなかなか大変だなと思いましたが、数か月かけて練習していくうちに自然と覚えたみたいで、特に暗譜の練習はしていなくても暗譜で弾けるようになっていました。
一方の連弾は親子連弾だったので、私と出演。
娘も私も暗譜できていましたが、お守りとして譜面台の上に楽譜を置いて演奏しました。
ピアノ発表会の主催者(ピアノ教室の先生)の考えによって異なるので、あらかじめ確認してみてくださいね♪
ピアノ発表会を暗譜で演奏するメリット

楽譜をめくる必要がなく演奏に集中できる
楽譜を暗譜して演奏することで、ページをめくる必要がなくなり、演奏に集中できるというメリットがあります。
特に発表会では、演奏中に楽譜をめくる動作が入ると一瞬指が止まったり、めくるタイミングを気にしてしまったりすることがあります。
また、楽譜がズレたり落ちたりする心配もなく、スムーズに演奏を続けられます。
暗譜していれば目の前の鍵盤や自分の音に意識を向けやすくなり、より表現豊かな演奏ができるようになります。
観客と向き合いやすく表現豊かに演奏できる
暗譜で演奏することで楽譜を見る必要がなくなり、自然と視線が下がることを防げます。
これにより観客と向き合いやすくなり、表情や姿勢にも余裕が生まれます。
また、指先の動きだけでなく音楽の流れ全体を意識しながら演奏できるため、より豊かな表現が可能になります。
暗譜によって演奏への集中力が高まり、曲のニュアンスや感情を細かくコントロールできるようになるため、観客に感動を与える演奏につながります。
楽譜に頼らないことで演奏技術が向上しやすい
暗譜で演奏することで、楽譜に頼らずに指の動きや音の流れを体で覚えるため、演奏技術の向上につながります。
楽譜を見ながら演奏するとどうしても視覚に頼ってしまいがちですが、暗譜をすることで指の感覚や耳をより頼りにするようになります。
その結果、指の独立性や記憶力が鍛えられ、よりスムーズで安定した演奏ができるようになります。
また、曲の構造や和声の流れを深く理解する機会にもなるため表現の幅が広がり、より音楽的な演奏が可能になります。
ピアノ発表会を暗譜で演奏するデメリット

緊張で譜面を忘れてしまうと演奏が止まってしまうリスクがある
暗譜での演奏は楽譜に頼らずに自由に表現できる反面、万が一緊張やプレッシャーで記憶が飛んでしまうと、演奏が止まってしまうリスクがあります。
特に発表会などの本番では、普段は問題なく弾けていた部分でも、突然思い出せなくなることがあります。
楽譜を見ながらであれば視線を戻して演奏を続けることができますが、暗譜の場合、一度止まると次の音を思い出すのが難しくなることもあります。
そのため暗譜で演奏する際は、部分的な弾き直しやカバーの方法も練習しておくことが重要です。
関連記事はこちら▶ピアノ発表会で暗譜が飛んだらどうする?本番での対処方法と事前に練習できる予防策
暗譜に時間がかかり練習が大変になる
暗譜で演奏するためには、楽譜を見ながら弾く以上に時間をかけて曲を深く理解し、記憶する必要があります。
そのため、通常の練習に加えて暗譜のための反復練習が必要になり、負担が大きくなることがあります。
特に長い曲や複雑な楽曲の場合、すべてを暗譜するのに多くの時間がかかり、仕上げるまでに根気が求められます。
また、一度暗譜しても定期的に弾いていないと忘れてしまうことがあるため、発表会直前まで継続的に確認する必要があります。
そのため、スケジュール管理をしながら計画的に練習を進めることが大切です。
暗譜がプレッシャーになり発表会自体を楽しめなくなることもある
暗譜での演奏は自信を持って表現できる一方で、「忘れてはいけない」というプレッシャーが大きくなることがあります。
特に本番が近づくにつれ暗譜に対する不安が強くなり、演奏を楽しむ余裕がなくなってしまうこともあります。
発表会は本来、日々の練習の成果を発揮して音楽を楽しむ場です。
しかし暗譜のプレッシャーが大きすぎると、演奏そのものよりも「間違えないこと」ばかりに意識が向いてしまうことがあります。
その結果、せっかくの発表会が緊張との戦いになってしまい、演奏の満足度や達成感が下がってしまうこともあるため、暗譜の必要性や本人の気持ちを考慮しながら準備することが大切です。
ピアノ発表会で暗譜演奏を成功させるコツ

ピアノ発表会本番でスムーズに暗譜演奏をするためには、日頃の練習の仕方が重要です。
以下の方法を試してみると、暗譜しやすくなります。
手の動きで覚える
指の動きを体に染み込ませることで、楽譜を見なくても演奏しやすくなります。
ゆっくりと何度も繰り返して練習するのがポイントです。
部分的に暗譜する
最初から最後まで一気に覚えようとすると難しいため、フレーズごとに区切って覚えると効果的です。
特に出だしと終わりの部分は、しっかり暗譜しておくと安心です。
視覚的に覚える
楽譜を見ずに頭の中で譜面をイメージする練習をすると、記憶が定着しやすくなります。
目を閉じて楽譜を思い出すトレーニングを取り入れてみましょう。
本番を想定して練習する
発表会当日のように人前で演奏する練習をすることで、本番でも緊張せずに暗譜で弾きやすくなります。
家族や友達の前で披露してみるのもおすすめです。
まとめ

ピアノの発表会では暗譜が推奨されることが多いですが、必ずしも暗譜しなければならないわけではありません。
暗譜してもしなくてもOKという場合は、暗譜のメリット・デメリットを理解し、状況に応じて適切な判断をすることが大切です。
もし暗譜で演奏する場合は、手の動きで覚えたり、部分的に暗譜する方法を取り入れると、スムーズに暗譜ができるようになります。
自分に合ったやり方で練習し、発表会で自信を持って演奏しましょう。