子どもをピアノ教室に通わせていると、あるときふと疑問が浮かびました。
「あれ?レッスンって、結局宿題の曲を見てもらって、次の課題をもらうだけじゃない?」
週に一度のレッスンはたったの30分。
それ以外の時間、毎日練習しているのは家でだし、正直「家で練習してる時間の方が大事なのでは?」とすら思えてきたのです。
このモヤモヤ、きっと私だけじゃないはず。
今回はそんな疑問を感じた私自身の体験から、「ピアノ教室に通う意味」について、改めて考えてみたいと思います。
目次
家での練習が大切だからこそのピアノ教室の違和感

ピアノは“積み重ね”がとても大切な習いごとです。
毎日の練習なくしては、なかなか上達しません。
でもそれゆえに、親のサポート量が増えるんですよね。
- 練習する時間を確保して
- 曲を一緒に確認して
- 間違えたところを直して
- 宿題を全部やったかチェックして…
気がつけば、「あれ?私が先生になってる?」という感覚に。
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こんなに家でやってるなら、教室に通わずに独学でもいいのでは?と思ってしまうのも自然なことかもしれません。
ピアノ教室では“見えにくいけど大切なこと”がたくさん行われていた

でもある日、レッスンの様子を横でじっくり見ていて、ハッとしたことがありました。
それは、先生がしてくれていたのがただ「曲を聴いて◎をつける」だけじゃなかったということ。
例えば、ある日こんな指導があったんです。
- 音符の読み方やリズムの取り方を“その子に合った言い方”で伝えてくれる
- 姿勢や手の形を細かく直してくれる
- 「もっとこうするときれいな音になるよ」と表現のアドバイスをしてくれる
- 子どもができたところをしっかり褒めて、やる気を引き出してくれる
この指導は、親がなんとなく教えるのとはまったく違うものでした。
「教えるプロ」が見てくれることの価値を改めて感じた瞬間でした。
子どもが「親とは違う誰か」に評価される意味

もうひとつ、ピアノ教室に通う大きな意味は、子どもが“第三者から評価される”経験ができることです。
親がどれだけ「上手だね〜」と声をかけても、子どもは分かっています。
「ママだからそう言ってくれるんでしょ」と。
でも、先生から「今日のリズム、すごくよくなったね!」と声をかけられたときの表情は、やっぱり違うんです。
親ではできない“承認”を得る場所としてのピアノ教室は、子どもの心の栄養になっていると感じます。
親だけでは教えきれない“音楽の楽しさ”に触れられる

ピアノ教室では、ただ楽譜を弾くだけでなく、
- 「ここは雨の音みたいに弾いてみよう」
- 「この曲はワルツだから、1・2・3のリズムで」
- 「このフレーズは、ちょっと泣いてるみたいな気持ちで」
というように、音の背景にある“感情”や“物語”を教えてくれます。
親が家で教えるとどうしても「音を間違えずに弾くこと」に意識が向きがちですが、教室ではその先の“表現する楽しさ”まで広げてくれるんです。
これは、動画やテキストだけでは伝わりにくい部分であり、生のやりとりの中でしか得られない大きな価値だと思います。
我が家が「ピアノ教室に通っていてよかった」と思えた瞬間

あるとき、レッスンから帰ってきた娘がこんなことを言いました。
「今日、先生に“この前よりすごく上手になった”って言われたの!すごくうれしかった!」
その笑顔を見て、ああ、この子はただ練習してるだけじゃなくて、ちゃんと“誰かと一緒に音楽を楽しんでる”んだなと気づいたんです。
親としても、「ピアノ教室って、子どもが音楽と前向きに関われる場所なんだ」と思えた瞬間でした。
ピアノ教室の価値は「◎をもらう場」以上のもの

たしかに、ピアノは家での練習がとても大切な習いごとです。
でもだからこそ、家での練習を意味あるものにしてくれるのがピアノ教室の存在。
- 正しい方向に導いてくれる
- 気づかなかった弱点を教えてくれる
- 表現の幅を広げてくれる
- 継続のモチベーションを与えてくれる
- 音楽を通して人とつながる楽しさを教えてくれる
ピアノ教室は、ただ宿題をこなすだけの場所ではなく、子どもが音楽を通して成長していく“道しるべ”のような存在なんだと、今では感じています。
迷ったときは子どもの様子を見てみよう
「ピアノ教室に通う意味ってある?」
そう思ったときは、親の気持ちももちろんですが、子どもの表情や反応を見てみるのがおすすめです。
- 教室から帰るとき、嬉しそう?
- 「先生に見てもらうの、楽しみ」と言ってる?
- 小さくても「できた!」という自信を感じる瞬間がある?
そんな様子があるなら、きっとその子にとってピアノ教室は大切な居場所になっているはずです。
親のサポートも大変だけど、だからこそ「通っててよかったな」と思える日が、ちゃんと来ると思いますよ🎵